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スーパー耐性菌に蝕まれる人の未来 [ニュース]




5/26、アメリカの疾病管理予防センターは、国内ではじめて、現存する抗生物質全てへの耐性を持つ「スーパー耐性菌」の感染が確認されたことを報告しました。

細菌は分類上生物であり、環境に適応し、進化する能力をもっています。
また、ライフサイクルが短いため、進化するのが早いです。

これは基本的に抗生物質の投与で除去するものですが、この投与が不十分だと、細菌が全滅せず、生き残ったものが徐々に耐性を身につけてきます。
そうしていくうちに、従来の抗生物質が効かない「耐性菌」が現れます。
そして、それが繰り返され、効かない抗生物質が多くなり、最終的に、全ての抗生物質が効かない細菌が出てきます。

それが「スーパー耐性菌」と呼ばれるものです。

これの感染が確認された場合は、分離・隔離で二次感染を防ぐほかなく、全耐性ということで、文字通り従来の抗生物質による治療は不可能で、感染した患者は、菌が排出されるか、自然に死滅するまで確実に苦しめられます。

感染力はその細菌それぞれですが、有効な抗生物質の開発も未定で、効果的な対策がないという点では非常に脅威です。
特に、感染力が高かったり、致死性が高い菌が耐性を得た場合、それは災害といえる規模のダメージを及ぼす可能性があります。

さて、現在、それに関連してある問題が出てきています。

それは、抗生物質の不用意な乱用です。

抗生物質は薬として出されるため、その国の患者や医師によって、その摂取にバラツキが出ます。
耐性菌の知識がある医師や患者はともかく、なかには症状が収まった段階で抗生物質の摂取を止めてしまう方々がいます。
そして、完全に死滅させる前にやめてしまうと、前述のように耐性が付きやすくなってしまいます。

つまり、ルールを守らない抗生物質の使用がスーパー耐性菌を生み出してしまう一因なのです。

実際に、過去、中国やインドでもスーパー耐性菌の存在が確認された、という情報があります。

あるレポートでは、この状況が続いた場合、2050年以降には、この耐性菌による病気だけで年間1,000万人もの人々が亡くなる状態に陥る可能性がある、と伝えられています。

すでに手遅れの感はありますが、世界では、人々が正しく抗生物質を使うことが求められています。

せめて、日本国内で耐性菌を生み出さないよう薬はキチンと正しく摂取しましょう。

そして、薬の乱用を解決しない限り、堂々巡りになるだろうとは思われますが、新薬の開発にも期待したいですね。



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