フランスが訴える、民泊で本当に注意しなければならないこと [ニュース]
昨今、日本への観光客の増加に伴って、民泊も増え、それに関する報道もされるようになっていますね。
民泊はホテルや旅館より宿泊料が安いため、利用する外国人は多くいます。
さらに、民泊の全面解禁のための法案施行に向けた原案もまとめられているため、今後もさらなる増加が見込まれています。
3月17日に、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が、フランスのホテル&レストラン関連業界団体を招き、「民泊の不都合な真実 〜世界最大の観光大国フランスで起こっていること〜」というテーマでフォーラムを行いました。
このフォーラムは、すでに民泊が浸透しているフランスが、日本に対して、民泊を行っていくうえで注意しなければならないことを伝えるためのものです。
フランスの業界団体側が挙げた、民泊の負の部分は、
○アパートなどの居住用物件の所有者の25%が民泊に乗り換え、また、家賃の値上がりと住居の減少をも招いている。
○確定申告をしない、言い換えると、税金逃れをしている民泊が80%以上にのぼる。
○民泊利用者は観光客にとどまらず、不正なビジネスの温床ともなっている。
となり、総じて、正常な地域経済の環境を破壊し、正当な市民の生活を壊しているものとされています。
さて、そのフランスでは民泊の仲介にAirbnbというアメリカの会社のウェブサイトが主に使用されており、利用者には身分証明含む登録が必要なものの、宿の提供側は実質匿名で利用することができます。
この会社のウェブサイトには、世界192ヶ国3万以上の都市で80万件以上の宿が登録されています。
この提供主の匿名性によって、政府は民泊の実態を掴むことが難しくなり、その結果として、実質的な無法地帯となってしまったということでした。
いったい何件の宿があるのか、不正はどの程度行われているのか、そういったことをほとんど把握できない状況がフランスでは続いているようです。
そして、日本にとってもそれは他人事ではありません。
日本の過去の報道にもあるように、もう民泊関連の事件は起こっています。
民泊には、ホテルなどのように多くの義務があるわけではなく、実態把握も困難なので、すでに日本においても、これを不当に利用する輩が出てきています。
このままだと、フランスのような問題が現実のものとなるでしょう。
フランスの業界団体はそれを伝えるために来日し、彼らは、そういったことを引き起こす匿名性を徹底的になくすことが必要、と訴えました。
日本では、先のAirbnbの他に中国系の会社2社の仲介ツールが主に利用されています。
日本政府には、これらに登録される民泊の透明性を確保し、不正ビジネスが横行するような環境が構築されないように、明確なルールと取り締まりを準備することが求められます。
一度不正が横行すると、それを取り締まるのは一筋縄ではいかなくなってしまいます。
まさにこのスタートアップの段階が重要です。
日本が"きれいな"観光立国となれるように、政府はもちろんですが、提供する人々や私たち市民もスマートにありたいですね。
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