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同一労働同一賃金がこれからの日本の雇用を左右する [ニュース]




先日、ある企業で、再雇用されたある従業員が給与に関しての訴えを起こし、勝訴しました。
この給与に関しての訴えというのは、
その従業員は定年を迎えたが、退職後、同じ企業に再雇用され、定年退職前と同じ労働を行うことになったが、給与だけが減らされた。
という、同じ労働なのに給与だけ減らされたことに対するものでした。

従来であれば、この手の裁判は敗訴になることが多く、また、そもそも訴える人があまり多くないものとなります。

なぜなら、日本の労働環境はもともと年功序列、終身雇用が主で、このような再雇用や派遣など非正規雇用は多くなく、労働側もそれが普通という環境にいたため、訴訟が起こること自体があまり多くなかったのです。

しかし、ここ数年、非正規雇用の割合は、全労働者のうちの5割近くまで伸びてきており、ますます増加傾向にあるといえる状況で、さらに、それにともない、非正規・正規の間の格差が浮き彫りにもなってきました。

過去、多くの企業はバブルやリーマンショック後の不景気の煽りを人材の面で解消しようとし、その結果、多くの企業の存続性がかえって悪化しているこの現状において、企業は人を雇い育てる力さえ失いつつあります。
まさに非正規労働者の増加がそれを物語っています。

企業が非正規労働者を選ぶ主な理由はコストです。

組織として労働者を抱え守ることはできないが、労働力はほしいという企業が派遣などという形で雇うのが、今の日本に多い非正規雇用でしょう。

また、パートやアルバイトという雇い方が増加しているのも一因です。

特に、現在の日本社会においては、夫婦共働きでないと生活が不便になるという、良くない労働社会が具現化されつつあります。

しかしながら、縮小傾向にある日本の経済を世界の高い次元で維持するには、国民全員が一定の経済力を持つことが必要不可欠です。

もし、このまま格差が開き続ければ、日々の生活費を稼ぐのに必死で、安い買い物しかできないような労働者と、その安く雇った労働者がもたらした富で良い生活を送り、高い物も買えるような少数に国民は二分され、日本の市場としての価値はさらになくなっていくでしょう。

市場価値がなくなればそこでお金は回らなくなり、経済は衰退し、多くの人々は今より不自由な生活を余儀なくされるでしょう。

市場価値がないところには企業は何も提供しません。
よって、物流は止まり、インフラも廃れ、生活レベルは退化します。
たとえ、誰かが、それらを請け負おうとしても、対価が得られないため、すぐになくなります。
やがて、日本は負債を払える経済力を失い、破産するというわけです。

これは一例ですが、そのような未来を防ぐために、格差是正は大切なことです。

そこで、政府は、同一企業内において、同一労働には同一賃金を支払うという法律の検討を行っています。

実は労基法にも同一労働同一賃金と同じようなことは記されてありますが、強制力という点では今ひとつなものでした。
また、労基法のままでは、労働者側が訴えるまでに困難な壁がいくつかあり、働き手を守るのには些か力不足でした。

しかし、今回検討している法律からは、労働者の権利を強めるという面より、企業が務めて守る決まりという面を強くすることで、結果的に労働者側の立場を守ろうという点が見てとれます。

なお、この検討の進捗は厚生労働省のHPで公開されています。
興味がおありの方はご覧ください。



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