犬は、本当に人間の”コトバ”を理解できている可能性が高いことが判明 [学問]
みなさんは犬を飼っていますか?
私の知人は犬を飼っています。
その家の犬はとても人懐こいゴールデンレトリバーで、躾がしっかりしているのか、なかなかに賢いです。
その知人は、飼い犬の言葉、何を伝えたいかが感覚的に分かるそうです。
もちろん、確証があるわけではないとのことでしたが。
さて、先月、学術誌「サイエンス」に載ったある研究によると、犬も人間と同じように言語情報を処理していることが判明したそうです。
研究は、ハンガリーのブダペストにあるエトベシュ・ロラーンド大学の動物行動学者であるアッティラ・アンディクス氏が主導しました。
彼は、哺乳類の脳がどのように言語を処理するか調べるために犬を使って研究を行いました。
研究方法は、MRIの技術を応用して脳の活動を分析する方法(fMRI)がとられました。
fMRIを使えば、脳の血流量の変化があるところを把握することが可能で、特定の活動の際、脳のどの部分の血流が変化したかを見ることで、その活動に付随する脳の活動分野を調べることができます。
実験には合計13匹の犬が使われましたが、装置の中で犬が動かないよう訓練する必要があり、何ヶ月も訓練した後、ようやく研究に取りかかることができたそうです。
実験は、装置の中の犬に対して、あらかじめ録音した4パターンの飼い主の声を聞かせ、犬の脳の活動を分析するという流れで行われました。
声のパターンは、
①褒め言葉を賞賛口調で。
②中立的な言葉を中立的な口調で。
③褒め言葉を中立的な口調で。
④中立的な言葉を賞賛口調で。
の4つです。
※中立的=感情や抑揚を入れない、単純な情報伝達のときの会話をご想像ください。
実験の結果、犬の脳は左脳で単語に反応し、右脳で声のイントネーションに反応していることが分かりました。
また、脳の報酬領域の活動が最も活発になったのは①のような、褒め言葉を賞賛口調で聞いた時でした。
つまり、犬は人間の言葉を理解している可能性が高いということがこの研究で示されました。
人間の言語は自然界でもっとも複雑なものと言われています。
恐らく、犬は人間の会話を理解することはできないでしょう。
しかし、今回の結果から、犬が人と同じように言葉に反応していることが分かりました。
そのことから、少なくとも、彼らには人間が伝えたいことを理解する能力があるといえるのかもしれません。
冒頭のように、よく犬などを飼っている人は、何となく彼らの言葉が分かると言いますが、それは本当なのかもしれませんね。
私たち人間が犬と接するときは、素直な気持ちを込めた言葉を用いることが大切なのでしょう。
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