気象庁、”余震”の使い方見直しへ [ニュース]
気象庁が、余震確率の公表や「余震」という言葉を地震直後には使用しないようにする、というニュースがありました。
余震とは、すでに周知されているように、最も揺れが大きい本震に付随する形で発生する、本震より一段階低い揺れのことです。
次に、余震確率は、余震が持つ2つの性質をもとに、地震学で使われる統計式を利用して導き出されています。
余震の性質の1つ目は、余震の数は本震直後に多く、時間が経つにつれ減少していくことです。
回数の減少度合いは、大体、2日目には半分、3日目には3分の1になると言われています。
2つ目は、大きな余震は少なく、小さな余震は多いことです。
この2つを組み合わせると、地震の時に経験する、大きな揺れのすぐ後には何回か大きな余震があり、だんだんとその回数と規模が減り、最後にはなくなる、というものになります。
おそらく、多くの方は経験則でこのことをご存知かと思います。
しかしながら、地震がいつ来るかを予測することはまだ困難であり、いくら確率や統計、過去の経験があったとしても、直近の地震を予期することはできません。
そのため、気象庁が冒頭のような見直しを行うことは妥当なことなのであろうと思われます。
今回気象庁がこのような変更を行った理由は、今年4月の熊本地震にて、最初の大きな地震の2日後にさらに大きな地震が起こり、"余震"の扱い方の見直しを迫られたためです。
熊本地震の際、気象庁は、最初の大きな地震の翌日に、震度6弱以上の余震確率を20%と発表しました。
しかし、余震確率20%ということで、これ以上大きな地震は来ないだろうという雰囲気が生まれたところに、さらに大きな地震が来てしまいました。
結果として、余震確率が不必要な安心・油断を与えてしまうこととなってしまったのです。
余震確率は降水確率のように、結局起こるか起こらないか分からないものです。
確率がどんなに高かったり低かったりしても起こるときは起こるものです。
私たちができる最良のことは、確率や予測などに惑わされず、何があっても対応できる準備を整え、確実に大丈夫だという判断ができるまでは様子見を心がけることでしょう。
また、そういった非常時の考え方として、支援などに頼れず自分でどうにかするしかないような、最も悪いパターンを想定することも必要になるでしょう。
余震確率20%とは、言い換えれば、20%の確率で大きな地震が来るということです。
その確率をどう受け止めるのか、それは個人の判断に委ねられることです。
後悔先に立たずとはよく言いますが、気象庁などの情報をただ受け取るだけでなく、それを生かした判断ができるようにしておくのも個人の災害対策として大切なことです。
物理的・精神的に、そなえよつねに、です。
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