コストか人命か

あるニュース記事で、病院にスプリンクラーの設置が義務づけられた場合で、自己負担が発生するなら病院の廃止を検討するという割合が約2割となったというものを目にしました。

この調査は日本医師会が行ったもので、設置に自己負担が必要な場合、病院の廃止を検討すると回答したのが19.1%、一部に設置一部廃止が17.1%と設置に消極的な回答が36.8%となりました。
また、補助金でまかなえることが可能な場合の設置に消極的な回答は14.2%となりました。

調査は200床未満の病院約5900を対象に行われたもので、スプリンクラー未設置の3000平方メートル未満の建物についてスプリンクラー設置の対応について聞いたところ、990件の有効回答がありました。

スプリンクラーは火災時にある程度の効果をもっており、病院など動けない人が多い建物では特に効果的と考えられます。
そのため、設置を義務化するのは非常に合理的なことであると考えられます。

しかし、発生する費用は大きく、工事中の衛生や音、病院の機能性の低下などの諸問題も考えられます。
今後施工されるものはともかく、今ある建物に設置するには現実として多くの問題が存在します。
なかにはスプリンクラーに頼らなくても防火は大丈夫と考えているところもあるでしょう。
設置に消極的な回答があるのは仕方がないことでしょう。

それでも、これを設置する意味は大いにあると思います。
もしものときにああしていれば良かったと後悔しないためにも。
失ってからでは遅いのです。

補助金がでるから、自己負担が発生するから、ではなく、人々を助ける施設を運営している者として安全性を求めていってほしいですね。

タグ：病院 スプリンクラー 調査